「んーー…」ゴーヤ

「んーー…」
 メモ帳を片手に首を傾げるミモザの足元には、おびただしい量の野アントシアニン良精霊の遺体が散乱していた。
 あ亜鉛 サプリれから数刻ほどの時間が経過していた。その間延々と野良精霊を狩り続け、ミモザはある程度チロの扱い方を習得しつつあった。
 とはいえそれはゲームの中の『ミモザ』が使っていた技術をなんとかおさらいし終えたクロム、という程度のものでしかないが。
 記憶の中で把握した技術を書き出したメモ帳に、実際に行えたものはチェックをつけていく。
 達成率は50%といったところだ。
「まぁ、初日だしこんなものか」
 メモ帳を閉じ、手とチロについた血を振り払う。ふと思いついてかがむと野良精霊の遺体に手を伸ばした。
 その白魚のような細い指先で遺体を容赦なく探亜鉛 サプリ おすすめると、ミモザはそこから白い結晶を取り出した。
「お小遣い稼ぎ程度にはなるかな」
 それは魔導石である。
 ゲームでも野良精霊を倒すとドロップし、売ることでお金稼ぎができるシステムだった。
 そう、魔導石の正体は精霊の核である。今市場に出回っている物はこうして野良精霊を狩って手に入れた物や、もしくは墓を建てるという文化すらなかった太古の時代にあちらこちらに埋められたり遺棄されていたのであろう守護精霊の物を発掘した物であった。
「皮肉な話だなぁ」
 悪質であると禁じられている守護精霊を切り捨てるという行為。しかしこれにより野良精霊が発生し今は貴亜鉛 サプリ おすすめ重なエネルギー源となっている。生活を便利にするためにあらゆる場所で魔導石が用いられている現在において消費される量はすさまじく、『過去の遺産』は確実にいずれ枯渇するだろう。今生きている人の守護精霊も死ねば魔導石として利用されることになるとはいえ、毎日の人が死ぬ量よりも魔導石の消費のほうが上回っている以上それは避けられない現実であった。それでも国と教会が守護精霊の切り捨てを禁じるのはその捨てられた精霊の種類によってどのような生態系の変化、あるいは突然変異が生まれるかが予測できないからだ。しかし野良精霊をエネルギー量確保のために養殖するという考えは宗教的、倫理的観念から現状では難しい。
 結局のところ、今いる野良精霊達を絶滅させず、人に危害が加えられない程度の数に抑えながら自然環境の中で保存し適宜亜鉛 の サプリ必要量を採取するという、いうなれば放し飼いでの養殖のような形で今は落ち着いている。
 この森の中は法律上野良精霊を狩って良いエリアである。特例はあるが一般的に一人が一日に狩っても良い野良精霊の数は20匹まで。
 ミモザが今狩ったのは16匹。全く問題ない範囲である。
 遺体の中からきっちり16個の魔導石を回収し、ミモザは立ち上がった。
 日は少しづつ傾き、西の空が赤色に染まり始めている。
 さて、暗くなる前に帰ろうとしたところで、
「それは、狂化しているのかい?」
 そこで初めてミモザは人に見られていたことに気がついた。
dha epa dhaクロムの効能亜鉛

 レオンハルゴーヤ チャンプルー

 レオンハルト・ガードナーは英雄である。
 それはガードナー家の使用人であポリ ペプチドり侍女頭であるマーサも認めるところだ。
ポリ ペプチドねぇねぇ見た?」
「何を?」
「何をってあなた!この間の練習試合よ!」
 きゃあきゃあと出先の店先で若い娘達が黄色い声ではしゃいでいる。
「レオンハルト様の勇姿!格好良かったー!」
「いいなぁ、わたし抽選亜鉛が外れちゃって訓練場に入れなかったのよ」
「試合見学の市民への開放は教皇聖下のご提案でしょ?本当に良かったとは思うけど抽選式なのだけが玉に瑕よね」
「仕方ないわよ!すごい人気だもの!」
 彼女達はうっとりと目を細めた。
「レオンハルト様の格好いいこと」
「強いのにお優しくて」
「爵位を賜って偉くなられたのに気取ってなくて」
「うちの亭主と交換したいくらい」
 きゃー、と歓声があがる。
「あなたそれはちょっと図々しマカいわよー」
「いいじゃない!ちょっとした願望よ!」
「まぁでも想像しちゃうわよね、平民出身だからワンチャンあるかもって」
 ほう、と恋する瞳でため息をつく。
「そういえば新しい姿絵が出てたのよ」
「やだ!早く言ってよ、買いに行かなきゃ!」
「あなた新婚でしょ?そういうの旦那さんは許してくれるの?」
 その質問を問われた女性は気取った様子で髪の毛をふぁさっ、と手で流した。
「絵付きのお皿を買うのは止められたわ!」
「あー…」
「それはねー…」
「高いし嵩張るからダメだって!あの紙とは違う高級感がいいのに!!」
「せめて目に焼き付けときましょdha epaうよ」
 そう言って1人が店の一番目立つ位置にでかでかと飾られた平皿を指差す。その皿には華美な装飾が施されており、その中央には剣を抜いたレオンハルトの絵がでん、と描かれていた。じつに実用性が無さそうな皿である。
「………」
 マーサは四十肩ぎみの肩をとんとんと叩きながらその光景を白けた目で見る。マーサの守護精霊の小鳥もしらっとした目で見ていた。
「あいよ、マーサさん!おまちどう!」
 マーサが用があった青果店の店主がやっとお目当ての果物を手に戻ってきた。店先に在庫がないからと取りに行ってくれていたのだ。彼はマーサの視線の先を追って「ああ」と納得したように頷いた。
「すごい人気だよなぁ、あの店の前はいつも若い娘さんでいっぱいだよ」
「恋は盲目とは言うけどねぇ、夢アントシアニンの効果見すぎじゃないかしら」
「何を言うんだい?実際夢の中から出てきたような人じゃないか。実は俺、いつだったか仕入れに出かけた先で助けてもらったことがあるんだよ。野良精霊に襲われてよ。いやぁ、評判通りのいい男だったよ」
「……そうかい」
 マーサは果物を受け取って、心中だけでつぶやく。
(実際近くにいるとかなり無愛想な人だけどねぇ)
 やれやれとため息をつくとマーサは重い足取りで屋敷へと歩き始めた。

 マーサの勤める屋敷の主人であるレオンハルト・ガードナーという男は裏表の激しい人物である。
 表向きは非常ににこやかで紳士的な好青年だ。しかし身内だけの場や屋敷の中になると、とたんに寡黙でぶっきらぼうでとにかく重苦しい空気をただよわせた暗い人物に変貌するのであった。どちらが素なのかなど確認する必要性も感じない。
「ああ、マーサ。旦那様がお呼びだったよ」
 重い荷物を抱えて帰ってそうそうに、同dha epa僚の男はそう告げた。醜いあばた面のその男は名前をジェイドという。
 小さい身長にずんぐりむっくりとした体格、瞼の重い目にぶつぶつとできものの浮き出る浅黒い肌。どこからどうみてもゲコゲコと鳴くあれにそっくりの男だ。ジェイドという名前の由来なのだろう瞳の緑色だけが美しいが、その美しさがかえって目玉を強調してぎょろっとした印象を与えている。その首には守護精霊の瞳の色と同じ緑の蛇がとぐろを巻いていた。
 見た目同様の陰気な男で使用人達の集まりにも全く参加しないことで有名だ。しかし彼は主人からの信頼をもっとも得ており執事長としてこの屋敷を取り仕切っていた。
「一体なんの用だかねぇ」
 ジェイドに向かって話しかけたつもりだったが、彼は気がつかなかったのか無視したのかそのまま無言で立ち去ってしまう。
 マーサはため息をつくと荷物を置いて主人の部屋へと足を向けた。
 深い赤色の絨毯のひかれた廊下を歩く。屋敷の中はどこも綺麗に掃除をして換気もされているはずなのに主人の気質にでも倣っているかのように重苦しい印象を受ける。
 必要最低限の用事以外の来客のない屋敷である。もう少し亜鉛 サプリ おすすめ人の出入りがあれば明るい雰囲気を取り込めるような気もするのにあの人嫌いの主人にそのような進言のできる関係性の使用人などはいない。
 大きく重厚なドアをノックする。物理よりも心理的な重みのあるドアの向こうから入室を許可する声が響いた。
「失礼致します」
 なるべく音を立てずに部屋の中に滑り込むと、屋敷の主は執務机に腰を掛け、いつも通りの仏頂面で書類を睨んでいた。
「マーサ、弟子をここに招くことになった。部屋を準備してくれ。位置は…、そうだな、俺の私室の近くにしてくれ」
 目も合わせず淡々と用件だけを告げる。
(弟子……?)
 そんなものがいたのか、とは勿論口に出さないし出せない。
「性別はどちらでしょう?何か特別に用意するものなどはありますか?」
「性別は女だ。年齢は12。普通に寝泊まりできるように整えてくれればいい」
「承知致しました」
 頭を下げながら「女かー」とマーサは内心で嘆いた。この主人に若い娘は鬼門だ。一体何度若い娘がこの屋敷に期待に胸を膨らませて訪れ、期待を裏切られて去っていったことか。今残っている使用人は年嵩の者か、はなからそういった興味がない者だけだ。
(まぁ、この人自身が見つけてきたのなら大丈夫か)
 半ば自分に言い聞かせつつ、厄介なことになりませんように、とマークロムの効能サは祈った。
ゴーヤ チャンプルーマカ と はゴーヤ

 髪の毛をゴーヤ

 髪の毛をわし掴まポリ ペプチドれた。
「……いっ!」
 声をあげるが止まればどんな目に遭うかわかからない。サプリメント マカぶちぶちと引き抜かれる音にまかせてミモザは走り続ける。
「はぁっ、はぁ……っ」
 また石が飛んできて足や背中、肩などに当たる。
「……あっ!」
 ちょうど踏み出した足に投げられた石があたり、ミモザは亜鉛 の サプリ転んでしまった。手に持っていたランチボックスが地面に転がる。
 ミモザは地べたに座り込んだまま周囲を見渡した。お昼時のせいかみんな家にこもっているのか、それとも畑へと出かけてしまっているのか、人影がない。
(誰か……!)
 叫びたくても声が出ない。恐怖のせいだ。ミモザは弱い。前回は完全に身構えており、やることをあらかじめ決めていたからなんとかなったが、ふいに訪れた恐怖に恐慌状態に陥っていた。
亜鉛「やっと捕まえたぞ」
 びくりと身を震わせる。振り返るとアベルが怒りに目を燃やして立っている。
「てめぇ、この間はよくもやってくれたな!」
 そのまま至近距離から手に持っていた石をミモザへ叩きつける。
「……っ!」
 鋭く尖った石はミモザの目の上あたりへとあたり、皮膚を切って血が流れた。
「なんとか言えよ!お前のせいで俺たちは全部めちゃくちゃだ!」
 ミモザのせいではない。自業自得だと言いたいのに、ミモザの喉は震えた呼吸をか細く吐き出すばかりで声が出ない。
 学校生活の数年間でミモザの中亜鉛 サプリ おすすめに植え付けられた恐怖がミモザの身体を動かなくしていた。
 そこからはもうリンチだった。4人に囲まれて石を延々と投げつけられる。
 ミモザは頭を守ってうずくまるしかできない。
 ミモザの前方に家があった。声をあげれば届きそうなのに届かない。誰か出てきてくれないかと願うがそんなに都合の良いことは起こらない。
 いつだってそうだった。いままでずっと。
 閉じられた教室の中で誰も助けてくれなかったように、今も誰も助けてくれない。
 変わったつもりだったのに、ミモザは何も変わらずうずくまるしかできない。
(誰か)
 手を地面へと這わせる。何かに縋りつきたい。
(誰か来て……っ)
 気づいて欲しい。ミモザの存在に。
 涙で歪んだ視界に、転がるランチボックスが亜鉛 サプリうつった。
 守らなきゃ、漠然と思う。これを届けなければいけない。だってあの人が待っている。
 ミモザを無価値ではないと初めて言ってくれた人がお腹を空かせて待っている。
「レオン様……」
「え?」
 異母兄の名前にアベルの手が思わずというように止まる。弾幕のように飛んできていた石が一瞬止まり、その隙にミモザは地面の石を掴んだ。
「な、なんだよ……」
 そのまま手を振り上げたミモザに怯むようにアベルは後退る。
 そのアベルを無視して背中を向けるとミモザは石を投げつけた。
 前方に見える、家の窓へと向かって。
 ガシャンッ、と派手な音と共にガラスが割れる。
「……なっ!」
「こらぁ!クソガキども!何してくれやがる!!」
 家主の男は窓の割れた音に家の奥から姿を現し、状況を見て取って怒鳴った。
亜鉛 サプリ おすすめポリ ペプチドアントシアニンの効果

 ガチャンdha

 ガチャン、という音マカを立ててその扉は閉まった。
「あ、あなたが悪いんだからね!」
 ゴーヤ捨て台詞と同時にパタパタと遠ざかっていく足音がする。どうやら彼女は立ち去ってしまったようだ。
「うーん」
 閉じ込められた……のだろうか?ミモザは首をひねった。
 まず扉を押してみると何かつっかえがしてあるのか開アントシアニンの効果かない。だがメイスで叩けば壊すことは可能だろう。次にミモザは月明かりの差し込む窓へと近づいた。
「開くんだよなぁ、これが」
 カシャ、と軽い音を立てて窓が開く。窓の外は庭園で、別にとんでもなく高くて外に出れないというわけではない。
 さて、閉じ込めるとはなんぞや?と疑問に思う。
「窓から外に出るという発想がお嬢様にはないのかな……」
「チゥー…」
 チロも同意するように頷く。あまdha epaりにも詰めの甘すぎる監禁だった。
 もしもミモザを本気で閉じ込めようと思ったら、まずはチロを拘束しなくてはならないし、ついでにミモザのことも手足を縛るくらいはしなくてはならないだろう。そうでなくては普通に破壊して出てきてしまう。
「まぁ、今回は壊さないけど」
 一体弁償代がいくらかかることか。想像すると寒気がしてミモザはぶるりと身を震わせた。
 さて、それでは外に出ようかと窓枠に手をかけたところで、
「……ん?」
 人の気配に思わず隠れる。隠れてから別に隠れる必要がなかったことに気がついたが後の祭りである。
 かくして近づいてきたのはオルタンシクロムの効能ア教皇とオーティス宰相であった。
「………薬は、……で、」
「しかし……の、効果……」
(薬……?)
 2人はぼそぼそと小声で話しながらゆっくりとミモザの隠れている窓の前を通り過ぎ、遠ざかって行った。前を通り過ぎるといっても距離があったため、その内容はあまり聞き取れない。
(仲が良いんだろうか?)
 考えながらもまさかな、と思い直す。宰相などは貴族の筆頭であろうし、教皇はいわずもがな平民の代表である。派閥的に仲睦まじく、というのは難しい立場だろう。だからこそこうして密会のようにこっそり会っている可能性もなくはないが、それよりは仕事の話をしているというほうがしっくりくる。
 さて気を取り直して、とミモザは窓枠に手と足をかけると亜鉛 の サプリそのまま外へとぴょんっと身軽に飛び降りた。
 ぴ、と体操選手のようにポーズを決める。
「10点!」
「何が10点なのかしら?」
 その言葉に振り返る。そこには、
「フレイヤ様!」
 が立っていた。彼女は赤いドレスに黒いショールを羽織っていた。銀色の髪は綺麗に結い上げられて真珠の髪飾りで彩られている。月明かりに照らされたその体は、銀色の粒子をまといきらきらとほのかに輝いていた。
 ミモザはその姿にうっ、とうめく。
 彼女の抜群のプロポーションが眩しい。
「どうしたのかしら?」
「ちょっと世の理不尽に目が眩んでしまって……」
「ちょっと意味はわからないけど大丈夫そうなのは伝わったわ」
 体調が悪いのかと心配したじゃない、と彼女は嘆息する。
「あなた、今1人?」
「はい。フレイヤ様もですか?」
「ええ、ちょっと夜風にあたりたくて……」
 そう言いつつ彼女の目は何かを探すように彷徨っていアントシアニンの効果る。
(なんだ……?)
 パッと見た印象だが彼女の装飾はどこかが欠けているという様子もなく彷徨う目線の高さ的にも地面を探している様子はない。何かを落としたとかでは無さそうだ。
「ジーン様はご一緒ではないのですか?」
「ああ、ジーンは今日はご家族もいらしてるからそっちと一緒にいるのよ」
「なるほど」
 ジーンの素性はよく知らないが、王国騎士団長の弟子になるくらいだ。やんごとない家柄なのだろう。
「じゃあ、わたくしはそろそろ行くわね」
「はぁ……」
 声をかけておきながら随分とつれないことだ、と思いながらその後ろ姿を見送る。
「………ついてってみる?」
「チゥ」
 ついていこう、とチロが頷く。フレイヤはミモザに連れがいないのかを尋ねて、いないことを知ると明らかに興味を失ったようだった。つまり誰かと一緒に来たのではないかと疑ってミモザに声をかけたのだ。
(でも誰だろ?)
 探し人がレオンハルトならば、たぶん普通にミモザにレオンハルトはどこにいるのかと尋ねただろう。しかしそれをしないということはミモザには居場所がわからないであろう相手、亜鉛の効果その上ワンチャンミモザと一緒にいてもおかしくない相手を探しているということだ。
(鬼が出るか蛇が出るか)
 庭園の生垣で作られた迷路の中へと姿を消したフレイヤを、ゆっくりと追跡する。ミモザが追うのでは気づかれる可能性が高いためチロを斥候に使い絶妙にお互いの姿が見えない距離を保ちながら進む。
(おっと)
 これ出れるかなぁ、と不安になりつつ歩いていると、唐突にフレイヤが立ち止まった。彼女はぼんやりと立ち尽くし、迷路の先を眺めているようだ。
 手で合図をしてチロに様子を見てきてもらう。しばらく待つとチロは走って戻ってきて、そこで見た光景を伝えてくれた。
 迷路の先にはガブリエルがいたのだ。それも、先ほどホールでミモザを睨んでいたもう1人の令嬢、セレーナ嬢と一緒だったようだ。
(なんでその2人が?)
 教皇と宰相に引き続き謎のペアである。首をひねるミモザの目の前で、フレイヤはその2人のことを憎々しげに睨んでいた。

「フラフラついて行くなと言っただろうが」
 ホールに戻るとレオンハルトが仁王立ちでミモザを見下ろしてそう言った。
 その顔は険しい。
「えっと、レオン様、違うんです」
「何が違う」
「筋肉にも胸にもつられてません」
「じゃあ何に釣られた」
「こ、好奇心……?」
 はぁ、と彼は深い深いため息をつく。
「俺はとても簡サプリメント マカ単な指示を出したと思っていたが、その認識は誤りだったか?」
「ええと、レオン様と結婚したがっている令嬢の方がですね」
「……どっちだ」
「ピンクブロンドのほうです」
「アイリーンか」
 ちっ、と小さくレオンハルトは舌打ちをする。ミモザは頷いた。
「ええ、そちらの方に、ちょっと監禁されてきました」
 ミモザが続けて言ったセリフに、レオンハルトはなんか変な言葉を聞いたというようにその顔をすがめる。
「……出れたのか」
「窓が普通に開いたので」
「…………。万が一ということもある。そういう場合は知り合いに声をかけるなりして軽率について行くのは控えなさい」
 さすがに彼も少し呆れた様子だ。閉じ込めた部屋の鍵がかかっていないなど、監禁というにはあまりにお粗末である。
「はい、申し訳ありませんでした」
 とりあえずレオンハルトの態度が軟化してきたのでミモザは言い訳をやめて素直に謝罪した。
「……帰るぞ」
「よろしいのですか?」
 身を翻すレオンハルトに追従しながらもホールを見渡す。パーティーはまだ終わる気配を見せてはいない。
「ああ、君がいない間に一通りの挨拶は済ませた。問題ない」
「……申し訳ありませんでした」
 ミモザはもう一度丁寧に謝罪をした。
マカアントシアニンゴーヤマカ サプリ

 落ち込みはクロム

 落ち込みはしたがいつまでサプリメント マカも落ち込んでいても仕方がない。ミモザは今日も今日とて塔ゴーヤの攻略に勤しんでいた。
 続いてのターゲットである第3の塔は合成技術の祝福がもらえる塔である。
 合成とはドロップや採取した材料を組み合わせて薬や道具を作成する技術だ。これにより回復薬や毒薬はもちろん、梯子アントシアニンや網などを作成することができ、梯子を使用しなければいけない場所に行くことが可能になったり、捕まえられなかった野良精霊が網を使うことで捕まえられるようになったりするという素晴らしい技術だ。
 正直この祝福がなくてもストーリーを進めることは可能だが、有利なアイテムを手に入れたり、やり込み要素を消化するのには重要な技術である。
 さて、この第3ゴーヤの塔はまず塔に辿り着く前に一つ関門がある。
 それは洞窟である。
 ゲームでは特に害のある野良精霊などはおらず、蝙蝠型の野良精霊が背景的にぶら下がっているだけの洞窟なのだが、まぁ当然洞窟なので中は暗い。つまり第2の塔で手に入れた暗視スキルが必須なのである。
「ふー……」
 ミモザは小さく息を吐いた。
「オーケーオーケー。まだ大丈夫。まだ折れてない」
 心の話である。
 暗闇の中、ミモザは自分の手を目の前にかざす。銅の暗視スキルにより、自分の手はわずかに暗闇の中浮かび上がって見えた。
 それだけであった。
「使えねぇ…」
 銅の暗視スキルはなんアントシアニンと、自分の体が暗闇の中でも認識できるというだけのものであった。それ以外は何も見えない。真っ暗闇である。
「チー」
 守護精霊も自身の一部と見なされているのだろう。肩の上でチロが諦めたように首を振る姿が見えた。
「うぶっ」
 その時ばさばさと音を立てて何かがミモザの顔面に激突した。手で払いのける前にミモザの顔面を蹴り付けてそれは飛び去っていく。
 蝙蝠だ。
「焼き鳥にしてやる……」
 ミモザは目を据わらせると蝙蝠を捉えてやろうと両手を構えた。
 そのままじわりじわりと前に進む。
「うおっと」
 しかしそのまま小石か何かに足を取られて転びかける。なんとか壁に手をついて支えたため転倒はまぬがれたが、壁についた手の下に何かの感触がある。
 それはカサカサカサと音を立てて逃げていった。
「虫か……」
 これでミモザが虫嫌いアントシアニンの効果だったら悲鳴を上げているところである。
「あああっ!くっそー!」
 イライラする。しかし進まないわけには行かない。ここを抜けなければ第3の塔には辿り着けないのだ。
 もしくはこの洞窟の開いている岩山を登るという手もあるにはあるが、なんとなくそれはミモザの矜持が許さない。
 みんなが、特にステラが普通に通っている道を自分だけが通れないだなんて。
 例え第二の塔とは異なりこの洞窟の中が迷路のように枝分かれした複雑な道だとわかってはいても、進まないわけには行かなかった。

 数時間後、ミモザはもはや目をつぶって歩いていた。開けても閉じても変わらないからである。
 チロをメイスへと変え、それを杖代わりにして前方の地面を突いて確認しながら進む。最初はそろそろ歩きだったが、もはや慣れてほぼほぼ通常の歩行速度と変わらなくなってきていた。
 ふと、空気を切って羽ばたく音がした。
「そこだーっ!」
 叫んでミモザは手を伸ばす。パシッと軽いマカ音と共にミモザの手はそれを捕まえた。
 蝙蝠である。
「ふっふっふっ」
 散々ミモザのことを翻弄してくれた蝙蝠はミモザの手の中でキュイキュイと戸惑った声を上げている。
「はっはっはっはっはーっ!!」
 洞窟の中にミモザの高笑いがこだまする。長い時間暗闇の中を彷徨い歩いたミモザには、見えずとも物音などの気配で生物の位置を捉える能力が備わり始めていた。
 じゃり、と背後で音が鳴る。ミモザは笑うのをやめてその方角へ向けてメイスを構える。
「………えーと、ミモザさん。何をなさっているんですか?」
 右手にメイスを、左手に蝙蝠をたずさえて目を閉じたまま仁王立ちをするミモザに、その姿が祝福によって見えているジーンはそう尋ねた。
 ミモザには見えていなかったがその表情はドン引きしている。
「見ての通り、第3の塔を目指して進行中です」
「僕の目には蝙蝠狩りをしているようにしか見えませんが」
「そういう側面もありますね」
 堂々とミモザは頷く。
「側面というか、真っ正面から見てそうとしか見えないんですが……、まぁいいや」
 ジーンはミモザの奇行を正すのを諦めたようだ。そして改めてミモザの姿をまじまじと見て尋ねた。
「もしかしてな亜鉛 の サプリんですけど、第2の塔の攻略に失敗しました?」
「失敗はしていません。ちょっと自分の体以外の全てが見えないだけです」
「なるほど、銅の祝福はそんな感じなんですね。それで、一体どれだけここに居たんです?」
「いま何時ですか?」
「僕が洞窟に入ったのは午後2時ですね」
「朝の6時にきました」
「…………」
「8時間ですね」
 にこっとミモザは笑った。ジーンは笑わなかった。

「……結局なんやかんやさらに時間がかかりましたね、もう夕方ですよ」
 ジーンの言う通り、洞窟を抜けると空はまだかろうじて青いが西の方はもう茜色に染まりかけている。
「でも見てください、ジーン様。洞窟にこもっていたおかげで僕の気配を察知する能力が開花しました」
 そう言ってミモザは右手に5匹、左手に6匹の蝙蝠を握った状態で見せる。
 彼らはうぞうぞと動いて解放を訴えて鳴いていた。
「うわっぐっろ!ちょっとやめてくださいよ!そんな汚いものぽいしてください。ぽいっ!!」
 邪険に扱われてミモザは少々むっとしたものの、確かに持っていても仕方がないといえば仕方がないので両手を開いた。とたんに蝙蝠たちは一斉に洞窟に向かって飛び去っていく。
「ばいばーい」
「ばいばいじゃないですよ」
 ジーンは呆れている。ミモザは肩をすくめると「じゃ、行きましょうか」とジーンのことを促した。
 目の前にポリ ペプチドは背の高い塔の姿が見えていた。
dha epa dhaクロムの効能ゴーヤ チャンプルー

「ほら、こんゴーヤ チャンプルー

「ほら、こゴーヤんなにいサプリメント マカっぱい倒せたのよ」
 ステラは両手いっぱいに魔導石を抱えて笑う。
(うん……?)
その明らかに多い量にミモザは首をひねった。
「すごいね、えーと、40個くらい?」
「あら、そんなものじゃないわよ、そうねぇ、さっマカき数えた時は72個あったわ」
「え?」
「ふふ、驚いた?すごいでしょ、2人で頑張ったのよ」
「ふ、2人で、」
「そうよ」
 ミモザは強張った顔でなんとか笑みを作り、「これ、昨日の分とかも混ざってるのかな」と問いかけた。
「いいえ?昨日の分はこっち、これはね、今日の分よ」
「……っ!!」
 ひゅっと息を呑む。ことの重大さがわからないのだろうか。
 思わずアベルを見ると、彼は気まdhaずそうに目を逸らした。
 この国にはルールがある。野良精霊が絶滅しないように、一日に1人が狩れる野良精霊の数は20匹まで。
 つまり2人で狩れる数は合わせて40匹。
 それを遥かに超えた数の魔導石。
(違法行為だ)
「え、えっと、お姉ちゃん、1人20匹までだよ」
 ミモザは震える声で訴える。
「そんなに野良精霊を狩るなんて、そんな酷い……」
 そこまで言いかけてミモザははっとした。このシーンをミモザは知っている。
 これは、ミモザの妨害イベントだった。
 ゲームの中のミモザは嫌がらせを繰り返す。ある時は塔に入るのを妨害したり、ある時は『いクロムちゃもんをつけて魔導石を奪い去る』。
 ミモザの中で、それらの認識が180度ひっくり返る。
(嫌がらせじゃない)
 ミモザはステラを諭していたのだ。法律違反はいけないと。
(いやいやいや、ちょっと待て)
 このゲームでは一回の戦闘で4~5匹の野良精霊とエンカウントする仕様である。つまり4回ほど戦闘を行えば20個に到達してしまう。アベルの分を含めても8回の戦闘で上限だ。つまり簡単に20匹という上限は超えられてしまう。そのうえプレイヤーはレベルを上げるために野良精霊との戦闘をわざと回り道をしたり練り歩いたりして何回もこなす。
 そしてゲームの中ではこの野良精霊を狩る数の制限の話など1ミリも出てこない。
 だからミモザの訴えがいちゃもんに亜鉛 の サプリしか聞こえなかったのだ。
(ということは、もしかすると他の嫌がらせも何かしらの意味があったのかも知れない)
 今はまだわからないなんらかの理由で、ミモザは姉の違法行為を止めようとしたのだとしたら。
 そこでミモザはもう一つ思い出す。ゲームのミモザは序盤は狂化していなかったということを。今のミモザがすでに狂化してしまっているのは前世の記憶を思い出したからだ。
(ゲームのミモザはまだ、お姉ちゃんのことを嫌っていなかった……?)
 何せ姉から体を張って魔導石を奪うのだ。それは犯罪行為の隠蔽に他ならない。
 思い返してみれば記憶を思い出す前、ミモザはステラにいじめの相談をしていたのだ。その時の心境はもはや思い出せないが、それはステラを信頼してのことだったに違いない。
(どうしよう)
 冷たい汗が頬を伝う。チロも所在なさげに「チー」と鳴いた。
 ゲームなら本来、ここは魔導石を取り上げる場面だ。しかし破滅を恐れるミモザとしてはここは何もせずアントシアニンの効果に放っておくのが正しい。
(でも……)
 そうしたらステラは咎められるだろう。野良精霊の狩猟制限を破るのはそれなりの罪だ。具体的には牢屋に入れられる可能性もあるし、初犯ではさすがにないだろうが繰り返せば精霊騎士となる資格も剥奪されるかも知れない。
(わからない、わからないよ、『ミモザ』)
 語りかける。ゲームのミモザはステラを助けようとしたのだ。
 忌々しいステラ、妬ましいステラ。
(どうして助けようとした?)
 今決めなければならない。ここで魔導石を奪わなくてはステラはきっとなんの疑いもなく魔導石を売ろうとして捕まってしまう可能性が高い。
 ミモザの頭の中をぐるぐると益体のない思考が駆け巡った。
「ああ、あの法律?」
 ステラの声にはっと顔を上げる。ステラは涼しい顔で微笑んでいた。
「そ、そうだよ。知ってるでしょ」
 ほっと息を吐く。話し合いで解決できそうだと思って一歩前に踏み出すと「でも、野良精霊なんて少ないほうがいいじゃない」と彼女はその気持ちを裏切るように言い放った。
「……え?」
「野良精霊がいっぱいいるとみんな困っちゃうわ。ねぇミモザ、法律は大事だけど、それだけじゃなくてその意味をきちんとクロム考えるべきだと思うの。きっと無茶して傷つく人を減らすために制限があるのよ。だから、わたしは強いから大丈夫」
 彼女は花のように美しく笑う。ミモザの喉はからからに乾いて呼吸が苦しくなる。
「なに、言って、」
「わたしは20匹以上狩っても大丈夫よ。怪我も全然していないもの。ああ、でもミモザは大変だと思うから真似しちゃダメよ」
 息が苦しい。心理的なストレスで呼吸が浅くなっているのだとミモザは思い、意識して深く息を吐いた。そして吸う。
「お姉ちゃん、違うよ。制限があるのはね」
 そこまで言いかけて言い淀む。野良精霊の絶滅を防ぐためだ。エネルギーの補填のために、国と教会はある程度の野良精霊の繁殖を推奨している。しかしそれは公式見解ではなくただの暗黙の了解だ。みんな薄々察してはいるが、根拠となるものは何もない話だった。人に被害があるかも知れないにも関わらず、野良精霊を増やしていいなどと、国も教会も立場上おおっぴらに言えはしない。
「なぁに?ミモザ」
「の、野良精霊は絶滅しちゃいけないんだよ。魔導石が枯渇したらみんなが生活に困っちゃうでしょ」
「何を馬鹿なことを言ってるの、ミモザ」
 鈴の音を転がすような軽やかな声で姉はころころと笑う。
「そんなこと誰も言ってないわよ。話を作っちゃだーめ。だったらなんで教会は守護精霊を野に放つことを禁止しているの?野良精霊が増えると困るからでしょ?」
dha「それは、」
「ミモザ、羨ましいんでしょ」
 ステラはにこにこと続ける。
「自分がたくさん狩れないから、お姉ちゃんにもやめて欲しいんでしょ。だめよ、人の足を引っ張るような真似をしちゃ」
 ひゅっと息を飲む。話が通じない。元々天然で話が意図した形で伝わらないことはあったが、今回の件は天然だから仕方がないで済ませられる問題じゃない。
「お姉ちゃん、法律違反はダメだよ。お巡りさんに捕まっちゃうよ」
「大丈夫よ。話せばわかってくれるわ」
 ミモザは首を横に振る。何度も、何度も。
 その仕草がゲームのミモザが死ぬ直前にしていた動作と重なって、ミモザは動きを止めた。
 目をつむる。息を吐く。
「チチッ」
「そうだね、チロ」
 ミモザは同意した。
 チロは、もうダメだ、見捨てよう、と言った。
 覚悟を決めて、ミモザは姉を睨む。ゲームのミモザは優しかった。体を張って姉を止めようとしていた。けれどその結果がすべてを奪われて死ぬだけなのだと今のミモザは知っている。
 そして申し訳ないが、今のミモザは姉のために濡れ衣をかぶるだなんてごめんだった。
「お姉ちゃん。僕は忠告したよ」
「ミモザ?」
「お姉ちゃん、僕は貴方の」
 訝しげな表情を浮かべる姉の顔を見つめて、ミモザは宣告した。
「敵だ」
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 ミモザは亜鉛 の サプリ

 ミモザは自分の身長よりも遥かに大きな岩ポリ ペプチドマカ と はの前に立っていた。
「行きます」
 宣言とともにメイスを振り上げ、岩に軽くこつん、とつける。
 するとメイスが触れたところから振動が波紋のように広がり、その衝撃波により岩は粉々に粉砕した。
「まぁまぁだな」
 その様子を背後で腕組みをして見ていたレオクロムンハルトは、しかし言葉とは裏腹に満足そうに頷いた。
 
 さて、レオンハルトと出会ってから半年が過ぎていた。スパルタもとい地獄の修行の成果により、ミモザのメモ帳のチェックリストは着々と埋まってきている。
 忙しいレオンハルトだったが、最初の3ヶ月はさすがに開け過ぎたと思ったのか定かではないが、それからは1~2週間に一度、長くとも1ヶ月に一度にその指導の頻度は落ち着いていた。とはいえ忙しい聖騎士様マカである。指導の時間をしっかりと取れる時もあれば10分やそこらでいなくなることもざらであった。
「あのー」
 本日の修行が終わり、「では、今言ったことを次までにやっておくように」と告げて立ち去ろうとするレオンハルトをミモザは慌てて呼び止める。
「すみません、これを」
 差し出したのは水筒だ。
「これまで王都から時間をかけてきていただいてしまって……。お疲れでしょうに何も用意せず、すみません、気が利かなくて」
 よければお持ちくださいと決死の思いで差し出す。何をその程度のことでと言うなかれ。これまでの人生まともに人と関わってアントシアニンこなかったミモザにとっては一大事である。
 今の今まで自分のことに精一杯で、師匠に対する配慮が欠けていたと気づいた時には愕然としたものだ。
「……そのような気遣いは無用だ」
「いいえ、ただでさえこんなによくしていただいて謝礼もお支払いしていませんのに」
 どうか、このくらいは。
 冷や汗をかきながら悲壮なくらい真剣な表情で訴えてくるミモザの様子に、レオンハルトはふっ、と笑った。
「そうか、では好意に甘えよう」
 受け取ってその場で飲もうとするのに慌ててミモザはおつぎします、と押し留めた。
「ミルクティーか」
「申し訳ありません、その、何がお好きかわからなくて……。僕の好きな飲み物をいれてしまって」
 今になって後悔する。運動後に飲むようなものではなかった。
「いや、構わないよ」
 そういうと一気にあおるレオンハル亜鉛 サプリト。
「あの、もしもご希望のものがありましたら次回から用意しておきます」
「そんなに気を使わなくても大丈夫だ」
 彼は安心させるように笑ってみせる。実に爽やかな笑顔である。しかしミモザにはその笑顔は安心材料にはならなかった。
「いえ、でも僕は弟子ですから。お世話になっている師匠に気を使わなければ、他にいつ気を使うのでしょう」
「……次からもミルクティーで構わないよ。君も飲みなさい。俺のほうこそ水分補給に気を使うべきだったな」
「……いえ」
 レオンハルトから差し出されたコップを受け取り自身もミルクティーを飲む。
 気づけば自然と2人並んでその場に座り、交互にミルクティーを飲む流れへとなっていた。
(き、気まずい……)
 これまで修行のために何度も顔を合わせているが、レオンハルトは手合わせをした後はあっさりと帰ってしまうためこのように何もしないで2人でいるというのは初めてである。
 冷や汗をかきながらなるべくこの時間を減らそうと早く飲み干すことを意識する。マカ サプリ
「君は王都へ来たことはあるか?」
 しばらく黙ってそうしていたが、少ししてレオンハルトがそう声をかけてきた。
「……いいえ」
「そうか、では今度案内でもしてやろう。色々と遊ぶところもあるし、女の子が好きそうな店もある。どんなところが見てみたい?」
 その甘い誘いをするような声音にミモザは戸惑う。
「……あの、レオンハルト様?」
「うん?」
「そのようなお気遣いは結構ですよ?」
 レオンハルトは悠然とこちらを見返すと言葉を促すように首を傾げてみせた。
 その仕草は絶対の優位を確信している満腹な獅子が小動物をどう遊んでやろうかと睥睨する様にも似ている。
 それにつばを一つ飲み込むと、勇気を出して恐る恐るミモザは告げた。
「僕はあなたのファンではなく弟子なので、ファンサは不要です」
「ファンサ」
「ファンサービスの略です」
「いや、それはわかるが」
 ふむ、とレオンハルト。
「そのように見えたか」
「はい、あの、無理に雑談も振っていただかなくとも大丈夫です。そのぅ……、これまでの様子から無口な方なのだと思って」
 言っていて間違っているのではないかと不安になる。
「あの、すみませdha epa dhaん。僕の勘違いでしたら申し訳ありません」
「……いや、君は間違っていない」
 ミルクティーを一息に飲み干して、遠くを見つめながらレオンハルトはそう告げた。
「君が察した通り、俺はあまり会話が得意なほうではない。普段はもう少し気をつけているのだが、いけないな、仕事や手合わせを通しての付き合いになるとつい失念してしまう」
「レオンハルト様は戦うのがお好きなのですね」
「うん?」
 また間違ったかとひやりとする。
「……えっと、仕事や手合わせの時に失念してしまうということなので、戦うのがお好きだから、ついそちらに夢中になってしまって会話でのやり取りを失念してしまうという意味なのかと」
 きょをつかれたような顔でこちらを見ていたレオンハルトは、しかしその言葉になにかを咀嚼するように空を見つめるとああ、と嘆息ともつかないような吐息を吐いた。
「そうだな、戦いは好きだ。それ一本で成り上がってきた。それしか取り柄のない男だからな、俺は」
「一つでも取り柄があるのはいいことです。僕には一つもないから、憧れます」
「……君は、俺の狂化の理由を尋ねないな」
「レオンハルト様も僕の狂化の理由をお尋ねになりません。気にならないといえば嘘になりますがそのようなお気遣いをしてくださる方に僕も不躾な真似はできません」
サプリメント マカ「いや、俺は単に興味がないだけだ」
 レオンハルトからコップが渡される。それを受け取ってミモザは水筒の中をちらりと確認する。残りはあと1/3ほどだ。
「俺は人への関心が薄いんだ。普段はこれでもうまく取り繕っているんだがな」
「そのような気遣いは僕には不要ですよ。弟子ですから。気遣うのは僕のほうです」
 じっと無言で見返してくるレオンハルトに、まだ言葉が足りなかったかと焦りえーと、とミモザは言葉を探す。
「そう、その、最初に言ったみたいに僕は貴方が好きなので!貴方が楽にしていてくれると僕も嬉しいです」
「……君は、変わっているな」
「いえ、普通です。普通誰でも好意を持っている相手にはくつろいでいて欲しいものですよ」
「……そうか」
 レオンハルトは何かを噛み締めるようにふっと笑った。
 そのまま2人は無言でミルクティーを飲み干した。
マカマカ サプリ亜鉛 サプリクロム

「酷い目にあいま亜鉛 サプリ おすすめ

「酷い目にあいましたね」
 ミモザの足の怪我を見て、ジーンは言った。
クロムの効能 ミモザの視界を茶色い亀がのそのそと横切っていく。サプリメント マカ
 ここは軍警察の医務室である。騎士はもう帰ってしまい、手当てをしてくれた兵士も「聴取は終わったから帰って良いよ」と声をかけて立ち去ってしまった。
 目の前でうぞうぞと動く亀の頭をミモザはこつん、とこづいたdha。彼はびくり、と身を震わせて甲羅の中へとこもる。
「ちょっと」
 それにジーンは抗議の声をあげて亀を大事そうに回収した。
「人の守護精霊にいたずらしないでくださいよ」
「すみません、つい」
 目の前であまりに必死に歩いているので親近感が湧いてしまったのだ。
 ジーンは「まったく」と不機嫌に亀を懐へとしまった。
 それを見て通りでジーンの守護精霊の姿を見たことがなdha epa dhaかったはずだとミモザは納得する。
 彼はいつもジーンの懐にいたのだ。
「被害届、出さなかったんですね」
「あれはただの試合です」
「違いますよ、ただの脅迫です。試合はリングの中で審判に見守られてやるものですよ」
「条件は平等でした」
 そう、ミモザは正々堂々と一対一で戦って、
「負けました」
 そう言ってうつむくミモザに、はぁ、とジーンはため息をつく。
「まぁ、ミモザさんの戦い方は野良精霊はともかく対人戦では不利ですからね」
「それは言い訳でしょう」
 ミモザにミスはなかった。全力で、今出せる能力ゴーヤをすべて出して負けたのだ。
「……ミモザさん」
「ミモザ」
 ジーンが何か言いかけたのをさえぎって、扉ががらりと開いた。それと同時に名前を呼んだ声の主にミモザはあんぐりと口を開ける。
「……レオン様」
「大丈夫か? 怪我の具合は」
 彼の動きに合わせて豊かな藍色の髪がさらりと流れる。いつも険しい顔をいっそうしかめ面にして彼はその金色の目をミモザの負傷した足にこらした。
 怪我の具合を一通り確認して、そこでやっと目元を安心したように緩ませる。
「綺麗に治療してもらったな。この分なら後遺症もなさそうだ」
「はい。えっと、どうしてここに……」
 その質問にレオンハルトは呆れたように「君が王都に滞在する間の身元引受人が誰だと思ってる」と言う。
「……あ」
「君に何かあれば俺に連絡が入る。特に騎士団が関dha epa係していれば隠蔽は無理だと思え」
 さきほど事情聴取に対応してくれた騎士。確かに彼はミモザのことを知っているふうであった。もしかしたら彼が連絡をしたのかも知れない。
「では、僕はこれで失礼しますね」
 保護者の登場に長居は無用と悟ったのか、ジーンはそう言って軽くレオンハルトへ向けて頭を下げた。そのまま立ち去ろうとするのに「ジーン様!」と慌ててミモザは声をかける。
「ありがとうございました。助かりました」
「たいしたことはありませんよ。女の子を助けるのは男の甲斐性ですから」
 では、と爽やかに微笑むと、ジーンは今度こそ部屋を出て行った。
「…………」
 ジーンに礼を伝えるために浮かしかけた腰をミモザはベッドへと下ろす。自分も早くここから立ち上がって帰らなければと思うのに、ベッドに根が生えたかのように体が持ち上がらない。
「ミモザ」
 そんな弟子の様子にレオンハルトは目の前に跪いてその手を取ると「どうした?」と問いかけた。
「だいたいの事情は聞いている。君の行動は適切だった。何も悔ゴーヤいる必要などはない」
「…………負けました」
 そのレオンハルトの顔を見ていることができなくてミモザは顔をそらす。申し訳なさすぎて顔向けができなかった。
「貴方にいろいろと教えてもらって、訓練してもらって、それなのに……、負けました」
「ミモザ」
 レオンハルトの声にびくりと身を震わせる。彼はそれを宥めるように手を握るのとは反対の手でミモザの背中をなでた。
「一度負けたからといって、それがなんだと言うんだ」
「才能が、ないんです」
 ぽろりと弱音が落ちる。それは普段は奥底にしまい込んで見ないようにしている本音だった。
「どんなに頑張っても、魔力は少ないし、魔法もしょぼいのしか使えないし、祝福は全部銅だし……、それを得るためにどれだけの時間を僕が費やしたか……。それなのにお姉ちゃんはその半分の時間も労力もかけずに僕よりも良いものを得るんです」
 レオンハルトの手を強く握る。そうしないとみっともなく泣き出してしまいそうだった。
「才能か……、便利な言葉だな」
 その姿を冷静に見つめながら彼は静かに言った。その言葉にミモザは自分が恥ずかしくなる。それを労るように彼はミモザの手を握り返しながら言葉を続けるマカ サプリ
「いやなに、その考えを否定するつもりはないよ。俺も才能があるとよく言われる。確かに、才のあるなしというものは存在するのだろう」
 そうだろう、とミモザは言葉には出さずに内心で頷く。レオンハルトは天才だ。これで才能なんて幻想だ、都合のいい言い訳だなどと言われたら、ミモザはもうどうしたら良いかわからない。
「しかし俺にとって最も重要なのはそこではない」
 その強く言い聞かせるような言葉にミモザははっと彼の方を向いた。レオンハルトと目が合う。彼はその黄金の瞳をはちみつのようにとろりと緩ませて微笑んだ。
「配られたカードを精一杯有効活用できているか。そちらの方が重要だとは思わないか? ミモザ、君は最大限に与えられたものを活かせていると俺は思う。それは誇るべきことで、君のたゆまぬ努力の賜物だ」
「でも、その結果……」
 勝てなかったではないか、という言葉は、「それがどうした」という力強い言葉に打ち消された。
「たったの一度だろう、ミモザ。たったの一度負けたくらいでなんだ。次に勝てばいい!」
 まだ納得のいかなそうなミモザに苦笑して、「君にならそれができると俺は信じているよ」と彼は付け足した。
「できるでしょうか」
「できるさ」
「勝てるでしょうか」
「勝てるとも」
 彼の言葉は不思議だ。ミモザは自分の能力は信じきれないが、彼の言葉ならば本当にそうなのではと信じてしまう。
「………勝ちたいです」
「勝てマカ、ミモザ」
 ぐっ、と勇気づけるように彼は手を握る。それを先ほどとは違う強さでミモザも握り返した。
「勝ちます。次は必ず」
「その意気だ」
 レオンハルトは破顔した。その滅多にない明るい表情に、ミモザもつられて口元が緩む。
「レオン様、……本当にそう思ってますか?」
「どうかな」
 しかしその表情はすぐに意地の悪いいつもの笑みへと変わった。
「俺は不公平な人間だからな。大切に思っている人を優先させるためならどんな嘘でも理屈でもこねるさ」
 そこまで言って、わずかに戸惑うようにぼそりと付け足す。
「だが、大切に思っているという感情は本物だよ」
 そのらしくない言葉にくすり、とミモザは笑う。レオンハルトも一度は眉をむすりとしかめたが、すぐに諦めたように微笑んだ。
 そのまま握っているミモザの手を揺らす。
「他にどんな言葉が聞きたい? いくらでも話してあげよう」
「もう充分です。お腹いっぱいです」
 ミモザはうつむいた。自分が今どんな表情をしているのかわからなかった。
亜鉛 サプリdha epa dha亜鉛 の サプリサプリメント マカ

「…………dha

「…………」
 恥ずかしくて顔を上げられない。ミモザは真クロムの効能dhaっ赤な顔をして俯いていた。
「弟子……?」
 レオンハルトは怪訝そうだ。
(そりゃそうだ)
 そりゃあそうだ、内心でうんうんと頷く。チロも武器形態のままだが冷たい視線を向けてきているのがわかる。
「えーーっと、」
「……悪いがそういうのは募集していないんだ。すまないね」クロムの効能
 にっこりと微笑んで頭を撫でられる。その視線は生温い。完全に子ども扱いされていた。
(いや、子どもなんだけど!)
 子どもだが、そうじゃないのだ、真剣なのだ。
「そうじゃなくって、えっと、僕は真剣でっ」
「うんうんそうか。まぁ、憧れてくれるのは嬉しいよ。ありがとう」
 それは完全に大人がわがままを言う子どもを優しく窘める図だ。クロム
 何かのお手本のようだ。
「ち、違います!!」
 撫でてくる手を払いのけてミモザは叫ぶ。
「僕は!本気で!強くなりたいんです!!」
「一体何のために?」
 急に至極冷静に突っ込まれてミモザは言葉に詰まった。
(何のために……?)
 いや理由ははっきりしている。周りを見返すため、ひいては姉から聖騎士の座を奪うためだ。
 しかしそうはっきりとレオンハルトに言うことははばかられた。
 まさか「貴方の弟にいじめられていたから見返してやりたい」とか、「貴方の今いる地位に将来姉がなる予定だから奪ってやりたい」とは言うわけにはいかない。というかそんなマカ サプリことを言おうものなら下手をしたら殺される。
(殺される!?)
 先ほど対峙していた時の恐怖が蘇ってきてびびる。もしかしなくともミモザはとんでもない人間を呼び止めてしまっていた。
 そのまま素直に帰ってもらえばよかったのだ。機嫌のいい肉食獣に機嫌がいいからといってミモザのような草食動物が話しかけてはいけなかった。
「どうした?」
 脂汗をだらだらと流したまま固まってしまったミモザを、腕を組んで見下ろしてレオンハルトは不思議そうだ。
 それはレオンハルトからすれば親切心で言葉に詰まった子どもが話し出すのを待ってあげているだけの図だったが、ミモザには悪鬼が頭上から威圧を放って見下ろしているようにしか思えなかった。
 なんかオーラがずっとどす黒いままだし。
「あ、あの、理由……、理由、は……」
 その時のミモザの脳内は珍しく高速で働いていた。なんとかして相マカ手の怒りを買わない当たり障りのない理由を探そうと思考は回転し、反転し、そして脱線した。
 これまでの出来事が走馬灯のように駆け巡る。泣いて抱きしめてくれる母親、机の中のゴミ、力を得るための儀式、髪を切られたこと、そして姉がこれから得るはずの栄光の記憶ーー、
 聖騎士レオンハルトが姉達をかばって死ぬ光景。
「……貴方を、助けたいからです!」
 教訓、慣れないことはするなかれ。
 普段思考のとろい人間が無理して急いで結論を出そうとすると大事故が起きる。
「……ほぅ?」
 レオンハルトの目が剣呑に細められるのをミモザは涙目で見守った。
「俺の記憶が確かなら、俺はこの国最強の精霊騎士のつもりだったのだが……、その俺を君が助けてくれると?何から?」
 そう言う顔は綺麗に笑っているが瞳は雄弁だ。
 なめてんのかこのクソガキ、そう告げていた。
「ち、違います!そういう意味じゃなくて!そのですね!」
 ぐるぐると元々空転気味だった思考回路がさらに空転し出す。
「す、好きマカ サプリなんです!貴方のことが!!」
「は?」
「だから貴方のことをお助けしたいんです!!」
「………」
(何言ってるんだ、僕……っ!)
 黙り込むレオンハルトに、またそりゃそうだと内心でミモザは頷く。
 だってミモザだって自分が何を言っているのかわからない。
 支離滅裂なことを叫ぶミモザに、しかしレオンハルトは冷静に「つまり、俺に好意があるから手伝いをしたいという意味の『助けたい』ということか?」と内容を推測して要約してくれた。
 彼は確かに大人なのだろう。
 ミモザの記憶ではレオンハルトはミモザ達のたった5歳年上なだけの、つまり現在17歳であるはずなのだが、その精神年齢は実年齢よりも遥かに大人びているように思えた。
 そのレオンハルトの要約が合っているのかどうかは横に置いて、困っているミモザは「そ、そうです!」と全力でその推測に乗っかることにした。
 だって貴方3年後に死ぬ予定なんですなんて言えないし。
 彼はそのミモザの返答に心底不思議そうに首を傾げる。
「君とは今日初めて会ったばかりだったと思ったが?」
「あ、会ったばかりですけど!」
 そこでミモザはやっと一拍呼吸を置いた。自身を落ち着かせるように深呼吸を繰りマカ と は返す。
 この質問に対しては、嘘や誤魔化しは必要なかった。
 ゆっくりとレオンハルトの左右違う色の目に視線を合わせると、力が抜けたように微笑んだ。
「貴方は僕のことを唯一認めてくださいました。才能があると言ってくれた」
「それだけのことで?」
「それだけのことが、喉から手が出るくらい欲しかったのです」
 そう、たったそれだけのことだ。しかしたったそれだけのことがミモザを奮い立たせ、立ち上がる気にさせた。
 数日前も。そして今も。
「それだけでこれから先、僕は生きていけます。好意を抱くのには充分過ぎるほどです」
 これまでとは一転して自信を持ってそう告げるミモザに思うところがあったのだろう。レオンハルトはわずかに考え込んだ。
「俺は人に教えるのに向かない人間だ。最悪ただ君を叩きのめすだけの指導になってしまうかも知れないぞ」
「かまいません。貴方のサンドバッグにでも雑巾にでもしてください。そこから勝手に僕が学びます。貴方は僕の人生の恩人です。恩は返します。必ずお役に立って見せます」
 だから、
「貴方のそばに置いてください」
 そらされない目線の強さと意志に、レオンハルトはどこか眩しげに目を細めた。
「……いいだろう。しかし俺は忙しい。基本的には課題を出して時々様子を観にくる程度になるだろう」
「充分です!」
「ではこれを」
サプリメント マカ レオンハルトは懐からメモ帳とペンを取り出すと何事かを書き込んでそれをミモザに渡した。
 ミモザはどきどきと胸を高鳴らせてその紙を開く。
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 告げられる言葉は淡々としており、重々しい。
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 ひらり、と紙が押し付けられる。そこには『捜査令状』の四文字が踊っていた。
「……え?」
「ちょっと失礼しますよ」
 唖然とするステラを押し退けて彼らはぞろぞろと部屋の中へと入ってきた。
「な、なんだ!?」
「一体これは何事ですdha epa dhaか?」
 マシューとジーンも慌てて立ち上がる。三人はお茶を飲んでいたらしくテーブルの上にはコップとお茶菓子が並んでいた。その中にはアベルの物と思しきコップもあったが、彼は不在のようだ。
 捜査員達はそのまま部屋の捜索を開始する。最初に捜査令状を提示した男は王国騎士団の騎士のようだ。彼だけは部屋の中央を陣取るとジーンの質問に「こちらの女性が魔薬を違法所持している疑いがあるため、捜査に参りました」と告げた。
「魔薬の違法所持!?」
「まさか……」
 マシューとジーンの二人は信じがたいというように騎士とステラをサプリメント マカ見る。
 ステラは「なんで……」と呟いて立ちすくんだ。
 それを横目でちらりと見やって、騎士は絵を取り出して見せる。
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「これが、違法魔薬です。『恋の妙薬』と呼ばれる魔薬を飴の中に入れて加工した物になります。お心当たりは?」
 心当たりしかない二人は絶句する。しかしややして気を取り直すと「これは何かの間違いだ!」とジーンは抗議した。
「類似した形状の飴などいくらでもあるだろう! 彼女がそれを使っていたという証拠にはならない!!」
「ですからこうして捜索をしているのです」
 その抗議はぴしゃりと跳ね除けられた。騎士の男は淡々と作業を進める。
「こちらの魔薬は人に強制的に恋愛感情を抱かせるもの。お二人はどうして彼女に好意的なのですか?」
「ど、どうしてって……」
 マポリ ペプチドシューはうめく。
「どういう意味だよ」
「そのままの意味です。お二人が彼女に好意を抱くようになったのは、この飴を食べてからではありませんでしたか?」
 二人は何かを思い出したかのようにはっとした。
「もうやめてよ!!」
 その時金切り声が響いた。
「わ、わたしが何をしたって言うの!? 前回はこんなことなかったじゃない!!」
 ステラだ。彼女はその美しい青い瞳をきつく吊り上げて騎士を睨んだ。
「前回、というのを存じ上げませんが、もしかして貴方自身も常用なさっておられますか?」
「は、はぁ……!?」
「こちらの魔薬はあまり過剰摂取なさると感情のコントロールに支障が出てきます。感情の起伏が激しくなり怒ったり泣いたり、認めがたいことを言われると理屈より否定したいという感情が勝り、支離滅裂な言動に出ることもあるそうです」
「………っ!!」
 ステラは怒りのあまり言葉を詰まらせる。
「わたしの言動が支離滅裂だって言うの!?」
 そんなステラを無表情に見返して、彼は「えポリ ペプチドえ」と頷いた。
「今の貴方はとても理性的な人間には見えません」
「いい加減に……っ!!」
「何事だ!」
 その時慌ただしく一人の青年が部屋に入ってきた。
 アベルだ。
 彼は室内の様子に眉をひそめるとすぐにステラの前へと庇うように立った。
「アベル……」
「これは一体何事ですか? 騎士様」
 ステラはほっと息をつく。アベルは険しい顔で、しかし丁寧に騎士へと尋ねた。
 それを騎士はしげしげと観察するように見た後、「いえね、魔薬の違法所持の検査をしておりまして」と相手の態度に合わせるように礼儀正しく告げる。
「ご協力をお願いできませんか?」
「……ああ、最近なんか騒ぎになってたな」
 それにアベルは冷静に頷く。
「そういうことなら調べてもらって構わない。俺たちはどうしたらいい? ここにいるのでいいのか?」
「アベル……っ」
 慌てるステラに彼は安心させるようにその背を撫でる。
「大丈夫だ、ステラ。俺たちは疑われているんじゃない。ただの検査だよ。やましいことはない。すぐに終わる」
 そう言って彼がステラに何事かを囁くとステラははっと顔を上げてアベルの顔を見た。そしてすぐに笑みを作ると甘えるように「アベル!」と彼に抱きつく。それにマカ背中を撫でることで答えてやりながら、アベルは「すみません」と騎士に謝罪した。
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